SaaSの代表例14選!PaaS・IaaSとの違いやメリット、選び方を徹底解説

「SaaSを導入して業務を効率化したいが、具体的にどのようなツールが自社に適しているのか分からない」と悩む担当者は少なくありません。本記事では、SaaSの代表例を種類別に網羅し、PaaSやIaaSとの決定的な違い、失敗しない選び方を専門的視点で解説します。この記事を読むことで、自社に最適なクラウドサービスを選定し、DX推進を加速させる具体的な知識が身につきます。

SaaS(サース)とは?基礎知識と普及の背景

SaaSは「Software as a Service」の略称であり、ベンダーが提供するソフトウェアをインターネット経由で利用する形態を指します。従来のようにパッケージソフトをPCにインストールする必要がなく、ブラウザや専用アプリを通じて即座に機能を利用できるのが最大の特徴です。

クラウド上でデータが集中管理される仕組み

SaaSの仕組みは、データがユーザーのローカル端末ではなく、ベンダーが管理するクラウドサーバー上に保存される点にあります。この構造により、インターネット環境さえあれば、場所やデバイスを問わずに最新の状態のデータにアクセスすることが可能になります。

複数人による同時編集とリアルタイム共有

クラウド上でデータが集中管理されているため、チーム内での共同作業が極めてスムーズになります。一人が更新した内容は即座に全員に反映されるため、情報の先祖返りや共有漏れを防ぐことが可能です。これは現代のチームワークにおいて不可欠なインフラといえます。

ビジネスの変化にスピーディに対応

現在、多くの企業がSaaSを導入している背景には、ビジネスのスピードアップと働き方の多様化があります。物理的なサーバーを持たないため、導入コストを大幅に削減できるだけでなく、法改正や技術トレンドの変化に即座に対応できます。このような柔軟性が、企業の競争力を左右する重要な要素となっているのです。

SaaS・PaaS・IaaSの違いを比較

クラウドサービスを深く理解するためには、SaaSのほかに「PaaS」と「IaaS」という概念を整理する必要があります。これらの概要をより体系的に知りたい場合には「saas paas iaas」も併せて参照してください。

SaaS:アプリケーション層の提供

SaaSは、エンドユーザーが直接操作する「ソフトウェア」そのものを提供します。メール、チャット、会計ソフトなどがこれに該当し、ITの専門知識がなくても導入したその日から業務に活用できるのが強みです。

PaaS:プラットフォーム層の提供

PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションを稼働させるための「土台(OSやデータベース、ミドルウェア)」を提供します。開発者はインフラ構築の手間を省き、プログラミングなどのアプリ開発作業に集中できるため、開発効率を劇的に向上させることが可能です。

IaaS:インフラストラクチャ層の提供

IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー、ストレージ、ネットワークといった「ITインフラ」を仮想的に提供します。自由度が最も高く、OSの選定からハードウェア構成まで自社でコントロールできますが、その分、高度な運用・保守スキルが求められる中上級者向けの形態です。

【種類別】SaaSの代表例と主要ツールの特徴

現代のビジネスインフラを支えるSaaSを、主要な5つのカテゴリに分類して詳しく紹介します。それぞれのツールがどのような課題を解決するのかを明確にしていきます。

1. ビジネスチャット・コミュニケーション

社内コミュニケーションのスピードを上げ、メールによる情報の埋没を防ぐためのツールです。

  • Slack(スラック):世界的に圧倒的なシェアを誇るツールです。エンジニア向けの外部連携(API)が非常に豊富で、ワークフローの自動化に長けています。チャンネルごとにトピックを分けられるため、情報の整理が容易です。
  • Chatwork(チャットワーク):日本発のツールであり、ITに不慣れな層でも迷わず使えるシンプルなUIが特徴です。タスク管理機能が標準搭載されており、依頼事項の漏れを防ぐことができます。
  • Microsoft Teams:Office 365との親和性が極めて高く、ExcelやPowerPointの共同編集をチャット上で行えるのが最大のメリットです。大企業のセキュリティ要件を満たす管理機能も充実しています。

2. Web会議システム

対面での会議を代替し、移動コストの削減と迅速な意思決定を支援します。

  • Zoom(ズーム):通信の安定性が非常に高く、低帯域な環境でも音声や映像が途切れにくいのが特徴です。最大1,000人規模のミーティングに対応しており、大規模なウェビナー(オンラインセミナー)にも最適です。
  • Google Meet:Google Workspace利用者であれば、ブラウザからワンクリックで参加可能です。専用ソフトのインストールが不要なため、社外のクライアントを招待する際のハードルが低いという利点があります。

3. 顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)

顧客との関係性を可視化し、組織的な営業活動を可能にするSaaSの主戦場です。

  • Salesforce(セールスフォース):世界No.1のCRMツールです。顧客データだけでなく、商談の進捗状況、売上予測、カスタマーサポートの履歴まで一元管理できます。高度な分析レポートにより、経営判断の精度を高めます。
  • HubSpot(ハブスポット):インバウンドマーケティングに強みを持ち、見込み顧客の獲得から育成、成約までを一気通貫で管理できます。無料プランでも十分な機能が提供されており、小規模チームでも導入しやすいのが魅力です。
  • Sansan(サンサン):名刺管理を起点とした営業DXツールです。名刺をスキャンするだけで全社員の人脈を可視化し、組織的なアプローチを支援します。名刺情報の正確なデータ化に定評があります。

4. 会計・人事・労務(バックオフィス)

煩雑な事務作業を自動化し、ヒューマンエラーの削減とコンプライアンスの強化を実現します。

  • マネーフォワード クラウド会計:銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、記帳業務を劇的に効率化します。AIが仕訳を提案するため、経理の専門知識が乏しくても運用可能です。
  • freee会計:簿記の知識がなくても「いつ・誰に・いくら払ったか」を入力するだけで決算書が作成できる設計になっています。個人事業主から成長企業まで幅広く支持されています。
  • SmartHR(スマートエイチアール):入社手続きや年末調整、給与明細の配布を完全にペーパーレス化します。従業員情報をクラウドで一元管理することで、人事戦略の策定に必要なデータの抽出を容易にします。

5. オンラインストレージ・ファイル共有

大容量データの保存や、チーム間でのスムーズな情報共有を、セキュリティを確保しながら行うためのインフラです。

  • Google Drive:スプレッドシートやドキュメントの共同編集機能が非常に強力です。Googleの高度な検索技術により、必要なファイルを瞬時に見つけ出すことができます。
  • Dropbox(ドロップボックス):ファイルの同期スピードが極めて速く、デザイナーや動画編集者が扱うような大容量ファイルでもストレスなく共有できます。
  • Box(ボックス):エンタープライズ向けの高度なセキュリティと権限管理が特徴です。詳細なアクセスログが記録されるため、機密情報を扱う大手企業や金融機関に選ばれています。

SaaSを導入するメリットと得られるベネフィット

SaaSの導入は、単なるツールの置き換えではなく、経営スピードを加速させるための戦略的投資です。

初期コストの大幅な削減

オンプレミス(自社構築型)のように、高価な物理サーバーやソフトウェアのライセンスを購入する必要がありません。月額または年額のサブスクリプション方式のため、資産としての減価償却を気にする必要がなく、経費として処理できる点も財務上のメリットです。

メンテナンスフリーな運用環境

システムの保守、バックアップ、セキュリティ対策はすべてベンダーが行います。自社に専門のサーバー管理者を置く必要がないため、IT人材が不足している企業でも安心して最新のITインフラを運用できます。

常に最新の機能とセキュリティ

SaaSはベンダー側で頻繁にアップデートが行われます。ユーザーは特別な作業をすることなく、新機能の追加や法改正(インボイス制度や電帳法など)への対応、最新のサイバー攻撃に対するパッチ適用を受けることができます。

働く場所を選ばない柔軟性

インターネット環境さえあれば、自宅や移動中、サテライトオフィスからでも社内システムにアクセス可能です。これは、現代のワークスタイルであるテレワークやハイブリッドワークを実現するために不可欠なインフラといえます。

SaaS導入のデメリットやリスク

メリットの多いSaaSですが、導入前に理解しておくべきリスクも存在します。これらを把握することで、事前に対策を講じることが可能です。

サービス終了や仕様変更のリスク

利用しているサービスが突然終了したり、大幅な仕様変更が行われたりする可能性があります。特定のベンダーに依存しすぎる「ベンダーロックイン」の状態になると、乗り換えが困難になるため、データの移行性(エクスポート機能など)を確認しておくことが重要です。

セキュリティとガバナンスの確保

データを外部のサーバーに預けるため、ベンダー側のセキュリティ体制に依存することになります。ISO27001などの国際的な認証を取得しているか、二段階認証やIP制限などの自社で設定可能なセキュリティオプションがあるかを精査しなければなりません。

通信環境への依存

インターネットに接続できない環境では、原則としてサービスを利用できません。モバイル回線の普及によりリスクは低減していますが、災害時や通信障害時にどのように業務を継続するか、BCP(事業継続計画)の観点での検討が必要です。

失敗しないSaaSツールの選び方5ステップ

数多あるサービスの中から、自社に最適なツールを選定するためのプロセスを解説します。

ステップ1:現状の課題を言語化する

「何か効率化したい」という曖昧な動機ではなく、「月末の経理処理に10時間かかっているのを半分にしたい」といった具体的な課題を特定します。解決すべき課題が明確になれば、必要な機能も自ずと決まります。

ステップ2:現場の操作性を確認する(UI/UX)

多機能であることよりも、現場の人間が「直感的に使いこなせるか」が重要です。多くのSaaSには14日間〜30日間程度の無料トライアルがあります。必ず現場のキーマンに使ってもらい、操作感にストレスがないかを確認してください。

ステップ3:既存ツールとの連携性をチェックする

現在使用しているチャットツールや基幹システムと連携できるかを確認します。API連携がスムーズであれば、データの二重入力を防ぐことができ、導入効果を最大化できます。

ステップ4:サポート体制の充実度を評価する

トラブル発生時の対応窓口がメールのみなのか、電話やチャットでのリアルタイムサポートがあるのかを確認します。特にバックオフィス系や基幹系ツールの場合、サポートの質が業務継続に直結します。

ステップ5:トータルコストのシミュレーション

月額料金だけでなく、導入時のコンサルティング費用や初期設定費用、オプション料金を含めたトータルコストを算出します。ユーザー数が増えた場合のコスト増減も考慮し、長期的な予算計画を立てることが重要です。

SaaSの未来と今後の展望

SaaSは今後、さらに高度な自動化へと向かいます。その中心にあるのが「AI(人工知能)」との融合です。

バーティカルSaaSの台頭

これまでは「会計」「人事」といった職種別のツール(水平型)が主流でしたが、今後は「建設業界向け」「不動産業界向け」といった業界特化型の「バーティカルSaaS」が普及するでしょう。業界固有の商慣習に最適化されているため、より深い業務改善が可能になります。

AIによる業務の自動化

AIがデータを分析し、最適なアクションを提案する機能が標準化されます。例えば、営業ツールが「次に連絡すべき顧客」を優先順位付けしたり、チャットツールが議事録を自動生成したりすることで、人間はよりクリエイティブな意思決定に集中できるようになります。

まとめ:SaaSの戦略的活用が企業の未来を決める

本記事では、SaaSの代表例から導入のメリット、PaaS・IaaSとの違い、そして選び方までを詳しく解説しました。SaaSは単なる道具ではなく、ビジネスモデルそのものを進化させるための強力なパートナーです。自社の課題に合ったツールを適切に選び、段階的に導入を進めることで、組織全体の生産性は飛躍的に向上します。

特に、営業活動の効率化や質の高いリード獲得を目指す企業にとって、最新のAIソリューションは無視できない存在です。「AIアポろうくん」は、AIがターゲットリストの作成からアプローチまでを自動化し、戦略的な営業活動を支援する画期的なサービスです。

SaaSの導入で基盤を整え、さらにAIアポろうくんのようなツールを活用することで、競合他社に圧倒的な差をつけることができるでしょう。まずは、自社のどの業務からSaaS化を始めるか、小さな一歩から検討を開始してみてはいかがでしょうか。

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